日々の安心

【高齢者を特殊詐欺から守る!】離れて暮らす家族が今すぐ対策すべき3つのこと

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  • 特殊詐欺のニュースを見て、自分の親が被害に遭わないか心配
  • 最近、実家の固定電話に知らない番号からの着信が増えている
  • 親の金銭管理が心配だが、遠方で頻繁に様子を見に行けない

毎日のように流れる特殊詐欺被害のニュース。特殊詐欺の手口は年々巧妙化し、被害件数は増加しています。

私はファイナンシャルプランナーとして、高齢者の資産管理や防犯相談を受けてきました。オレオレ詐欺に騙されかけた事例もあり、どのような対策をしたら良いか悩むご家族も増えています。

この記事では、特殊詐欺の現状と高齢者が狙われやすい理由を解説。家族が今すぐ対策すべき具体案を紹介します。 

記事内容を実践すれば、特殊詐欺を未然に防止でき、離れて暮らす家族も安心して見守りができます。日頃のコミュニケーション、固定電話の見直し、金銭管理の変更など、小さな工夫が大きな安心につながります。

対策前に知りたい高齢者を狙う特殊詐欺の現状

特殊詐欺とは

電話やメールを使い、家族や公的機関の職員になりすまし、現金やキャッシュカードをだまし取る犯罪のこと。

高齢者が狙われやすい特殊詐欺の手口

代表的な手口は以下の4つ。警視庁によると、キャッシュカード詐欺盗・預貯金詐欺は、被害者の98%以上が高齢者というデータも。圧倒的に女性が多いことも特徴です。最近では、AIを悪用したSNS投資詐欺や、警察官なりすまし詐欺も増えています。

» 警視庁・SOS47特殊詐欺対策ページ(外部サイト)

特殊詐欺被害件数と被害額は増加

特殊詐欺被害の認知件数は令和6年、20,987件と年々増加傾向にあります。被害額は721.5億円前年から59.4%急増。1件あたりの被害額が大きいことがわかります。

» 警察庁・特殊詐欺の認知・検挙状況等について(外部サイト)

高齢者が特殊詐欺に騙されやすい理由 

  • 認知機能や判断力の低下
  • 固定電話を使う習慣
  • 最新の詐欺手口を知る機会が少ない

加齢に伴い、記憶力や判断力が低下。「子どもや孫が困っている」「至急お金が必要」など、緊急性や感情に訴える言葉に、冷静な判断が難しくなります。

特殊詐欺被害の多くが、固定電話にかかってきた電話がきっかけ。携帯電話の普及以降も、固定電話を主な連絡手段とする高齢者が多いため対策が不可欠です。

特殊詐欺の手口は、組織化・AIの悪用により巧妙化する一方。しかし、情報源が限られる高齢者は詐欺と見抜けず被害に遭うケースが増えています

高齢者を特殊詐欺から守るために、今すぐ対策したいこと3選

巧妙化する特殊詐欺から高齢者を守るには、家族の協力が不可欠です。お互いが安心して暮らせるよう、以下の対策を実践してみましょう。

  • 防犯機能付き電話機で詐欺電話をシャットアウト
  • 日常的なコミュニケーションと詐欺手口の情報共有
  • 金銭管理を見直して詐欺に遭わない環境づくり

1. 防犯機能付き電話機で詐欺電話をシャットアウト

警察庁によると、特殊詐欺被害の約8割が電話による犯行、そのうち9割を固定電話が占めています。電話機の設定や機能を見直すことが非常に効果的です。 

防犯機能付き電話機は、電話に出る前に、通話が録音される旨の自動音声が流れます。犯人は証拠を残したくないため電話を切る可能性が高くなります。

電話機に相手方の電話番号が表示される「ナンバーディスプレイ」も有効。登録番号以外は電話に出ないというルールづくりができます。NTTへ申込みが必要です。

2. 日常的なコミュニケーションと詐欺手口の情報共有 

日頃から連絡を取り合っていると、家族をかたる詐欺電話に騙される可能性が低くなります。家族側は、認知症の初期症状など異変に気づけることも。日頃のコミュニケーションが、最大の防犯になります

電話や帰省時に「最近こんな詐欺が流行っているらしいよ」と話題にしてみましょう。あわせて、「キャッシュカードや暗証番号は他人に渡さない」「ひとりで判断せず必ず家族に連絡すること」など注意点を伝えましょう。

3. 金銭管理を見直して詐欺に遭わない環境づくり 

特殊詐欺の多くは「お金をすぐに手元に用意させる・振り込ませる」ことを狙っています。被害を防ぐには、高齢者が簡単に大金を動かせない仕組みをつくることが重要です。 

◼️銀行口座の振込限度額を低く設定

1日の振込上限額を低く設定しておけば、詐欺に気づかず振り込んでしまった場合でも、被害額を最小限に抑えることができます。窓口やATMから設定可能です。ATMでの引き出し上限は、すでに各銀行で低額設定されていることが多いため要確認。

◼️複数口座をネット銀行へ集約  

高齢者が複数の銀行口座を持っている場合、管理が煩雑になります。 家族がオンラインで確認できるネット銀行への一本化がおすすめ。入出金や残高の異変にすぐ気づけます。生活費の引き出しは、近くのコンビニで済むので便利。家族と一緒に登録・設定すれば安心です。あわせて、公共料金の支払いを自動引き落としにすることをおすすめします。 

◼️「家族信託」で将来を見据えた対策

家族信託とは、高齢者が元気なうちに、信頼できる親族に預貯金や不動産などの財産管理・運用を任せる制度。認知症や長期入院時も財産が凍結されません。契約書の作成が必要なため、まずは司法書士など専門家へ相談してみましょう。

離れていても安心!万全の詐欺対策で高齢者を守る

離れて暮らす高齢者を特殊詐欺から守るには、詐欺に遭わない仕組みや環境を整えることが大切です。 
「離れていても家族が自分のことを気にかけてくれる」という安心感は心強いもの。特殊詐欺を未然に防ぎ、高齢者も離れて暮らす家族も安心して生活できるよう、できることからはじめてみましょう。 

ABOUT ME
Roka所長
Roka所長
親孝行のプロを目指すファイナンシャルプランナー
親孝行が趣味のファイナンシャルプランナー。10年近く離れて暮らしていた70代の母親と同居中。 シニア世代や家族が直面する、お金のこと、介護のことなど漠然とした不安を見える化して解決したい!との想いから親孝行ラボ(研究所)を立ち上げ。 シニア世代とその子どもであるミドル世代、どちらの不安も解消して幸せに暮らせる情報をお届けします!
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